葉室麟の秋月記を読んだ。福岡県の真ん中くらいにある秋月という町の昔の話だ。何度か行ったこともあるし、私の祖先は秋月藩に居候していたとか言う話もあって、親近感を感じながら読んだ。福岡の話も出てくるし、大分の日田、咸宜園の話もあって、ますます「おお、そうか。」という感慨がある筋立てだった。藩の財政の立て直しが縦糸で、それに絡む人々の虚々実々の渡り合いが皮膚に触れてくるように書かれた秀作。いい読後感でした。忍者のような集団や、超人的な柔術使いなんかが出てきて、読み物としてもおもしろかった。秀才の娘さんが出てきて、名前が「猷」(みち)というのがまたいいね。
「ディビザデロ通り」はどうなったかって。読んでないのよ。オンダーチェの語りにとうとうついて行けなかった。こういう時は、最初から再挑戦だな。まあ、ご縁があれば。
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