知人に絵を描く女性がいて、その時々の作品を貸してくれます。夏には海の絵を、秋にはコスモスを。そろそろ春、でもないけど畑に菜の花が咲き始めているなと思っていたら、菜の花の絵が届きました。彼女は僕が医者になり始めの頃の主任さんで(研修医ふぜいよりはるかに医療に詳しく、腕も確かだった)後に看護師長になり、だいぶ前に退職されて、好きな絵を描いて「絵描き」三昧の日々をすごしておられます。クリニックの待合室には、僕の下手な書とプロの絵描きの絵とプロ級の写真をいくつか掛けていますが、観るものをなんだか気持ちよくさせてくれる点では彼女の絵が一番です。邪心のないというか、本当に絵が好きで描いている絵です。まっすぐなKさんの心情そのものの絵です。患者さんも時折掛け替えられる彼女の絵を楽しみにしています。僕は写真が下手で絵の魅力の4分の1も伝わらないけれど、K女史作「菜の花」をアップします。
で、今、アップの了承を得るために、数年ぶりに電話で話したら、なんと彼女は自転車それもあのタイヤが小さな街乗り用の自転車で東海道を京都から東京まで走破したんだと。もう、旧街道はほとんど走破していて、残るは青森までで、今年は「やるだろうね。」とのたもうておられた。僕が医者に成り立ての頃、病棟の主任だった人だよ。あれから、30年。いやはやたいしたもんです。「奴○の様に働き、王様の様に遊ぶ。」というのはこのようなことだな。いやいや、改めてKさんとはよくぞ出会ったもんだと思いました。
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