秋田に行った。盛岡にまた行った。

 秋田市に行った。羽田まで飛んで、飛行機乗り継いで秋田に飛んだ。眠たくてずっと寝ていたが、フト目を開けると、まだ雪化粧をしたなんだか異様な感じの山がすぐ横に見えていた。地理に疎いから、なんという山なのか分からなかったが、何とも言えない迫力に見とれて、シャッターを何枚も切った。周りとは隔絶して、その山だけが屹立して、所々消えてはいるがまだ白々と雪の山肌で、明るい春の陽にそれが輝くようで、その山容にボクは胸騒ぎを覚えるようだった。

 空港から乗ったタクシーの運転手さんに訊ねたら、「そりゃ、鳥海山だ。」と即答で、「ああ、あれがそうなんか。」と不明を密かに恥じたわけです。それにしても、異様だった。ボクには人跡絶える山のように感じられた。美しいんだが、遙かに遠い果ての地の山のように思えた。

平田ペインクリニック

盛岡の友人によると、「あそこは春スキーがいいんだ。」とかで、まあ、そうなのかも知れないが、鳥海山と初対面のボクは、それを聞いても飛行機の中で感じた「異様さ」は吹っ切れなかった。「地の果て」。そう、そんな感じでしたね。

 盛岡はまたぞろ、友人達とカンパーイと言うわけで、緊張のない夜を過ごしました。この日、旧知のY君の紹介で、Hさんという数学者と知り合えました。彼は高校卒業後(Y君やボクが出た高校)、国立大学の医学部に進学し、卒業後、経済の大学院に行って、それから数学の道に入ったという変わり種と言えば変わり種の人物でした。ボクなんか、二次方程式ももう危ういくらいなんだが、彼の話は非常に面白かったね。Y君は漢文、漢籍の研究者。全く、分野が違う人間がガンガン話すのはいいもんですね。わからないんですが、さっぱりわからないんだが、それでも楽しいもんです。盛岡の街はさすがにあったかくて、この前とはえらい違いでした。しかし、盛岡は何でも美味しいね。この前行った店で、蕗を炊いたのを頂いたが、その蕗がでかいんだ、これが。最初は、なにやら形と原料がめづらしいちくわかと思ったもんね。それから、フキノトウの味噌、バッケというんだが、これがまた出て、上手かった。普通に出てくる日本酒がまた美味い。翌朝のホテルの朝飯もまた美味くて、完全なカロリー過多で帰ってきました。しばらく、盛岡に行く予定はありませんが、できればゆっくり行って、平泉なんかに行ってみたいね。

 ちょうど「若冲が来てくれました展」が新しい岩手県立美術館で開催されていて、駆け足で観てきました。美術館は大変素晴らしい建物で、奇をてらってなくて観覧に適したスペースを十分に取った美術館らしい美術館でした。若冲他のプライス・コレクションは圧巻で、震災後の子供達を励ます目的でプライス夫妻のご厚意で実現したとか。プライスご夫妻もご来館されてましたね。ちらと見たが、写真と同じお顔だった。当たり前だが。

 

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コメント: 2
  • #1

    イワマ (火曜日, 21 5月 2013 22:52)

    う~ん!平泉には20数年前に車で行きましたが、東北って私ら九州人には何もかもが新鮮でしたね。しかし君も全国を飛び回って大変だねぇ~。

  • #2

    ヒラタミチヒコ (木曜日, 23 5月 2013 18:34)

    平泉にはゼッタイ行くぞ。