埼玉県大宮市で漢方の話をして、スタコラサッサと羽田に向かった。あわよくば、帰りの便を早くしてもらおうと、ANAのカウンターに駆け込んだ。「これ、早い便に変更できませんか?」と言ったら、何も言わずに、お姉さんはてきぱきとキーを打って、「お手続きは不要ですので、16時30分の便で15分前までに検査場にお進みください。」というもんだから、「いやいや、それじゃ予約のママの便だから、もひとつ前のにならないかと言ってるんです。」と再度お願いしたら、また、何も言わずにてきぱきとキーを打って、「申し訳ありませんが、たった今、受付を終了しておりますので、変更はいたしかねます。」とのたもうた。たった今、て、あんた、たった今、オレの言うことをよく聞きもしないで、わかりきったことを確認するのに1分ぐらい使って、そんでもって、たった今だめになりました、はないじゃないの。と、食らいつこうと思ったが、そのお姉さんが「わたくし、マニュアルとおりにしかゼッタイ動きませんの。」という表情だったから、スンナリあきらめて、もうすこし端の方のカウンターのもう少しおつむが涼しそうなお姉さんに、「もしかすると」とおもいながら再度申し込んだ。で、同じようにてきぱきてきぱきとキーを打ったあげく、断られたのです。しかし、その2番目のお姉さんは、とても感じがよく、「申し訳ございませんが、」と眉間にしわを寄せて、いかにも自分たちの決まりの方が理不尽だと言わんばかりに、「あなたの来るのがちょっと遅かったのよ。」ということを知らせてくれたのです。この違いは大きいね。で、羽田で、1時間半の暇ができてしまった。東野圭吾の読みさしをどこかで読もうと、考えていたら、ふっと紅茶のお店を思い出したのです。羽田の長い長い待合の一番端に、フォートナム・メイソンの店があるのを皆さん知ってござるか?その辺までいくと、羽田の喧噪はウソのように鎮まり、なんだか、ちょっといい空間ができているのですよ。白いしゃれたテーブルがいっぱい出してあって(たいてい、だれも腰掛けていない)「ここでお紅茶とスコーンなど召し上がれ。」てな雰囲気なのです。そのしゃれたお店を教えてくれたのは鹿児島のY先生なんだが、薩摩隼人のカレが一人で便待ちの時間をアールグレーなんぞを飲みながら過ごしている図はなかなか想像しがたいぐらいに、いい感じのお店なんです。で、今回私は、カレーセットなど注文して、セットの紅茶をホットにしてしまって、カレーの辛みが倍増して後悔しながら、講演旅行のおしまいの時間をなんとなく穏やかに過ごせたのです。最初に「もう遅いよ、あんた。」的に応対したテキパキマニュアルグラウンドスチュアーデスのことなど忘れて、(昨夜のホテルの部屋のそれはそれはわびしかったことなども忘れて)完全犯罪のトリックに挑むガリレオの推理に没頭しておりました。
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トール (月曜日, 15 7月 2013 11:28)
同じ「お断り」の文句でも、紋切り型(マニュアル通り)と相手を慮る文句とでは、受け取る側では雲泥の差がありますよね。
昨夜のホテルは侘しかった?じゃ一昨日は侘しくなかったわけね!?
オタッキー (土曜日, 20 7月 2013 18:56)
羽田国際線ターミナル(新設)は、コンパクトで能率的です。見学も楽し。さらに屋上から、航空機が行きかう地上タキシーの様子を眺めるのも、オタク風に楽し。出発側、到着側、2車線必要なことがわかります。
福岡(板付)は、地上誘導路が、単線。なるほど、非能率なわけです。などと思っていると、90分はすぐ経過します。
私は、Aタイプ、ハートアタック予防に、オタク趣味を活用しています。
トール (土曜日, 20 7月 2013 22:31)
そういや、ロンドン・ヒースローなんてえらく長いタキシーを
進みますもんねぇ~。ついでに到着してから、空港内の
地下鉄に載らないと出口へ行けないのも凄い!
ヒラタミチヒコ (日曜日, 21 7月 2013 03:17)
オタッキーさんは血液型はBじゃなかったかなあ?
トールさん、旅の宿はどこでもいつでもわびしいものでっせ。何かの間違いでスウィートに入れられたりすると、トイレの場所が分からなかったりで、ベッドも真四角で、前回りしても落ちないほどで、そんなのもすざまじくわびしかったりしますわね。