こんな時は

血液のどろどろ

血液のどろどろ

最近、患者さんから「血液をさらさらにする薬を飲んでます」とか、「血液がどろどろと言われました」とか、よくうかがいます。
 血液は心臓から送りだされると、大動脈を通り、だんだんに枝分かれして、最後は細い毛細血管を通って、身体に酸素と栄養を運びます。
血液がどろどろになると言うことは、この細い血管を通るときに、通りにくくなっていると言うことです。

どうして血液がどろどろになるのでしょうか?
その理由はいくつかあります。
ひとつは赤血球という血液の中の細胞が硬くなってしまうからだと言われています。
本来丸い赤血球は細い血管を通り抜けるとき通りやすいように形を変えるのですが、それができなくなってくるのです。
そうすると細い血管で、交通渋滞のようになって、血流が滞ります。
それから、赤血球の数があまりに多いと、血液全体が濃くなって、やはり通りにくい血液になります。
また、血液の中の脂肪分(コレステロールや中性脂肪)が多すぎても、血液の粘度が高くなって、やはり細い血管を通りにくくなってしまいます。
そして、通りきれずに血管の中で、赤血球が集まって固まってしまうと、血液の塊を作ってしまい、それが完全に血管をふさいで、いわゆる梗塞状態となります。
心臓を営養する血管にそれが起きると、心筋梗塞。
脳で起きれば脳梗塞。
どちらも命に関わる大変な病気です。
そんな重病でなくても、足や手の血管に起きると、筋肉がつったりします。
完全に詰まらなくても、毛細血管の通りが悪い状態がいつもあると、常習の肩こりや疲労、いらいらの原因になります。
だから、「血液はさらさら」がいい。
その通りです。
そのためにいろいろな薬が開発され、民間療法が宣伝されています。
水を飲むことを推奨するのもその一つです。
しかし、誰でもかれでも、「血液をさらさらにするために」水を一日に2リッターも飲むのはいかがなものでしょうか?
何事も過ぎたるは及ばざるがごとし、で水を飲む弊害も必ずあるのです。
その人その人にあった「血液さらさら」のための方法を選んだほうがいいのではないでしょうか。
もちろん漢方薬もその一つの手段になりえます。
漢方医学は「血液さらさら」などと言う言葉がなかった大昔から、血液の流れが滞ることの弊害に気づいて、いろいろな薬を用意してきたのです。
「血液をさらさら」になさりたい方は、一度ご相談ください。あなたにあった「さらさらにする」方法がきっとあるはずです。

「血液さらさら」にプラスになること
・肉類を減らすこと。
・卵は1週間に3個ぐらいまで。
・酢のものをつとめて食べる。
・ストレスをため込まない。
・水やお茶を飲むなら、暖かくして飲むこと。
 (スポーツ飲料は禁)

平田ペインクリニックでは、漢方医学と西洋医学の双方の医学を併用して診療を行っています。どちらかに偏ることなく、患者さんにとって最も良いと思われる方法を選んで、治療を行います。質問やご不明な点はいつでもお問い合わせください。
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