2013年
9月
23日
月
「風立ちぬ」を観ました。
宮崎駿の監督最終作という触れ込みと、畏友の推薦「泣くぜ。」と言うのが重なって、観てきました。まあ、やるせない映画でしたね。不治の病だった肺結核、今からは想像も付かない精神状態が支配した戦争、その中で生きた方々の真摯な心情。「一機も戻ってきませんでした。」という現実。「私たちに残された時間は少ないのです。」という確信。氷のように冷たく鋭利な時間の経過故に際立つ、生きていることの何か。なにもかにもがぼーーーーっとしている今日この頃には、まず浮かび上がらぬ色彩。
「風立ちぬ、いざ・・・」
泣きました。畏友の言ったとおり。泣いた泣いた。
今日、風が吹いていないのか、あるいは、吹いている風に気づかないのか。
・・・しかし、あのエンディングは何?
2013年
9月
13日
金
「永遠の僕たち」を観ました。
なんで予約したのかも忘れていたDVDが来て、タイトルは「永遠の僕たち」。なんだかワクワクしないタイトルで、来たから観てみっかと、観たらとてもいい映画でした。交通事故で突然両親を亡くした少年と脳腫瘍で余命数ヶ月の少女の美しくも儚い恋愛物語、と言ってしまうと、この映画の紹介としてはまったく不十分でしょう。
日本人の特攻兵の幽霊が出てきて(この役は加瀬亮が渋く演じている)、昔懐かしい戦艦ゲームを主人公とやる場面があったり、なんなんだいったい、と思わせながら、次第に明らかになる少年の心の深奥。それにきれいな綾糸のようにからんでいく少女の生きている日々。
映像が美しいわけではないけれど、美しい映画だったという感慨が残りましたね。「死」と「生」が交錯するような筋立ては、「風立ちぬ」に通底するような気がしました。
で、主人公はなんとデニス・ホッパーの息子さん、さすがの血筋と言うべきか。で、ヒロインはミア・ワシコースカ。この人はきれいだね。ビールの宣伝している日本人のなんとかさんにちょっと似ているんだが、ジェイン・エアでジェイン・エア役をしていたけれど、芯の強さをにじませる演技はこの映画でも相変わらずでした。彼女が振り向いたときの笑顔、それを思い出す主人公のこれまた素晴らしい笑顔、冴えない邦題の意図が分かるエンディングでした。ビートルズの挿入歌も良かったね。